公認会計士奥村佳史事務所
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国民生活金融公庫パーフェクトガイド[日本全国対応]
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売上に関する資料をチェックする

決算にあたっては、1年間の売上に関する資料が営業部門から回付されます。この資料については、経理部門でもチェックする必要があります。
経理部門で注意するのは、架空売上の計上がないかどうかという点です。
売上ノルマを課された営業マンは、目標を達成すべく決算直前にまとめて大きな売上を計上します。中には、決算日翌日の出荷を決算日の出荷と偽ったり、決算後ただちに返品処理する約束で、得意先に一時的に商品を納品させてもらうことがあります。あるいは、実際に納品していないにもかかわらず、売上の伝票処理を行う架空売上もみられます。
このような架空売上を放置しては、会社の正しい営業成績を把握することができないだけでなく、粉飾決算として法令違反に問われることもあります。
そこで、経理部門では決算月の売上については特に注意して売上計上の妥当性を検討します。
反対に、決算日までに売上計上すべきものを、翌期の売上とするケースもみられます。これは、営業担当者が当年度のノルマを達成した場合に、売上成績を翌期に回す目的で行われるものです。こちらについては、課税所得が小さく計上され、結果的に脱税となります。
経理部門では、決算日前後の売上の計上時期が適切かどうかを注視します。

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売上割戻の計算

売上割戻(リベート)については、決算においては、売上割戻の計上時期に注意が必要です。
売上割戻は、利益を減少させるものですので、これをいたずらに早期に計上すると、課税所得が減少し、納税額も減ってしまいます。そこで、売上割戻の計上時期について税務上の細かな取り決めがなされています。
(売上割戻の計上時期)\ (1)その算定基準が販売価額又は販売数量によっており、かつ、その算定基準が契約その他の方法により相手方に明示されている売上割戻し 
販売した日の属する事業年度。ただし、法人が継続して売上割戻しの金額の通知又は支払をした日の属する事業年度に計上することとしている場合には、これを認める。
(2)(1)に該当しない売上割戻し 
その売上割戻しの金額の通知又は支払をした日の属する事業年度。ただし、各事業年度終了の日までに、その販売した棚卸資産について売上割戻しを支払うこと及びその売上割戻しの算定基準が内部的に決定されている場合において、法人がその基準により計算した金額を当該事業年度の未払金として計上するとともに確定申告書の提出期限(法第75条の2《確定申告書の提出期限の延長の特例》の規定によりその提出期限が延長されている場合には、その延長された期限とする。)までに相手方に通知したときは、継続適用を条件としてこれを認める。
(法人税基本通達2−5−1)
できるだけ早い時期に売上割戻を認識したい会社の場合は、売上割戻の算定基準を相手方(得意先)にあらかじめ明示しておきましょう。
もし、相手方にあらかじめ明示できないのであれば、算定基準を内部的に決定しておき、決算では未払計上した上で、確定申告の提出期限(決算から2ヶ月又は3ヶ月)までに相手方に通知することが必要になります。
売上割戻の計上を急ぐ必要がないのであれば、上記のような手続は必要ありません。リベートを支払った時に経理上認識すればよいのです。
営業部門に対しては、税務上の取り扱いを説明し、適切な事務処理を心がけるよう事前に指導することが欠かせません。

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売掛債権の回収可能性をチェックする

決算においては、滞留売掛金についての検討を行います。
通常、滞留売掛金については、営業担当者がその回収可能性について検討し、見通しを報告し、営業部門で取りまとめて経理部門に資料が回付されます。
しかし、営業部門から回付された滞留売掛金についての資料については、経理部門でのチェックが欠かせません。
滞留売掛金が発生すると、営業部門では担当者の責任が問われます。そこで、営業担当者は滞留売掛金については、甘い見通しを報告する傾向にあります。
そのため、滞留売掛金の回収見込についての営業部門からの報告を鵜呑みにすると、翌期以降貸し倒れが増大するおそれがあります。決算において正しい債権の評価を行うためには、経理部門で滞留売掛金の回収見込を厳しくチェックすることが必要です。

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貸し倒れの処理を行う

決算にあたって滞留売掛金の検討を行った結果、回収できないと見込まれる売掛金については、貸倒処理を行います。
貸倒損失の計上については、会計上の取扱い(金融商品会計基準など)と税法上の定め(法人税法など)との間で一致しない点が多くみられます。ほとんどの会社では、税法上の定めに従って処理していますので、ここでは税務上の貸倒の取扱いをみてみましょう。
税務上の貸倒損失は、3つのステップで判定されます。
STEP1 法律上の貸し倒れ
1.会社更生法若しくは金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生計画の認可の決定又は民事再生法の規定による再生計画の認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額を貸倒損失とする。
2.商法の規定による特別清算に係る協定の認可又は整理計画の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額を貸倒損失とする。
3.法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるものにより切り捨てられることとなった部分の金額を貸倒損失とする。
イ 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの
ロ 行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの
4.債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額を貸倒損失とする。
STEP2 明らかに回収できない債権の貸し倒れ
債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸し倒れとすることができる。
STEP3 一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸し倒れ
債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権について、当該売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとすることができる。
1.債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上経過した場合(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)
2.法人が同一地域の債務者について有する当該売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないとき

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貸倒引当金を計上する

滞留売掛金のうち、貸倒損失を計上するには至らなかったものについても、回収できないと見込まれる金額については、一定の評価減を行う必要があります。そのため、決算においては、売掛金などの金銭債権について、貸倒引当金を計上します。
また、貸倒の兆候がない売掛金についても、翌期に一定割合で貸倒が発生するため、これに備えて貸倒引当金を計上します。
貸倒引当金の計上についても、会計上の取扱いと税法上の定めとの間で一致しない点が多くみられ、ほとんどの会社が税法上の定めに従って処理しています。
税務上の貸倒引当金の取扱いは、売掛金などの金銭債権を「個別評価する金銭債権」と「一括評価する金銭債権」とに区分します。
(個別評価する金銭債権の貸倒引当金)
貸倒損失を計上する理由は発生していない場合でも、回収が困難な状況に陥っている債権については、貸倒引当金を計上します。
例えば債務者が会社更生手続開始の申立てを行った場合には、金銭債権のうち、担保でカバーされない部分の50%について貸倒引当金を設定できます。
(一括評価する金銭債権の貸倒引当金)
一括評価金銭債権については、貸倒実績率を用いて、貸倒引当金の額を計算します。
(中小企業の法定繰入率)
中小企業については、上記の貸倒実績率に代えて、法定繰入率を用いて貸倒引当金の計上額を計算することが認められています。
法定繰入率は業種ごとに定めらています。
中小企業の法定繰入率
卸売業及び小売業(飲食店及び料理店業を含む)・・・10/1,000
製造業・・・8/1,000
金融及び保険業・・・3/1,000
割賦販売小売業及び割賦購入あっせん業・・・13/1,000
その他の事業・・・6/1,000
(注1)中小企業とは、資本金1億円超の普通法人及び相互会社以外の法人をいいます。
(注2)法定繰入率を用いて計算を行う場合には、実質的に債権とみられない金額を期末債権残高から控除して計算します。

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