公認会計士奥村佳史事務所
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手形と小切手の違い

手形は、小切手と同じように、一定の金額の支払を目的とする有価証券です。銀行から小切手帳を購入するように、手形帳も銀行から購入します。紙質はほとんど同じです。サイズは手形の方が若干大きく、記載事項も手形の方が多くなっています。
両者の最大の違いは、手形には満期日があるという点です。小切手は、受け取った人が銀行に持ち込めばすぐに現金を受け取ることができますが、手形は支払期日まで待たなければ現金に換わりません。

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約束手形と為替手形

手形には、約束手形と為替手形の2種類があります。
約束手形は、債務者が債権者に支払を約束する有価証券です。支払期日に、振出人が銀行預金口座を通じて支払います。
一方、為替手形は、債務者が債権者とは別の人に対して債権を有している場合に、その人に対して、債権者への支払を依頼する有価証券です。支払期日には、振出人(債務者)ではなく、依頼を受けた人が銀行預金口座を通じて支払います。
手形の用紙をよく見てみると、両者の違いがわかります。
約束手形には「上記金額をあなた又はあなたの指図人へこの約束手形と引替えにお支払いいたします」と記載されているのに対して、為替手形には「○○○殿又は指図人へこの為替手形と引替えにお支払ください」と記載されています。

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手形の裏書

手形を受け取った人は、その手形を銀行に持ち込み換金することができますが、それだけでなく、自らの支払のために手形を他の人に譲渡することもできます。
これを手形の「裏書」(ウラガキ)といいます。
裏書するには、受け取った手形の裏面に、受取人が記名押印し、手形を受け取る人の名前を記入します。銀行が発行する手形の裏面には、あらかじめ裏書のために記名押印する欄が設けてあります。
ただし、注意しなくてはならない点があります。それは、裏書して手形を譲渡しても、手形の支払人が不渡りを起こすと、裏書した人が支払いをしなければならない義務を負っているという点です。
支払人の信用力に疑問がある場合には、手形を裏書しないことが賢明です。

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手形を受け取る時は、記載事項を確認する

手形を受け取った場合には、手形の様式を必ず確認しなくてはなりません。なぜなら、手形は法定の書式を備えていなければ、その効力がないからです。
約束手形には、次の事項が漏れなく記載されていなくてはなりません。また、記載されている支払期日等は取引条件に合致しているものであることも確認しなければなりません。裏書された手形については、裏書の連続性も確かめましょう。

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約束手形の記載事項

一  証券ノ文言中ニ其ノ証券ノ作成ニ用フル語ヲ以テ記載スル約束手形ナルコトヲ示ス文字
二  一定ノ金額ヲ支払フベキ旨ノ単純ナル約束
三  満期ノ表示
四  支払ヲ為スベキ地ノ表示
五  支払ヲ受ケ又ハ之ヲ受クル者ヲ指図スル者ノ名称
六  手形ヲ振出ス日及地ノ表示
七  手形ヲ振出ス者(振出人)ノ署名
(手形法第75条)
通常は、銀行から購入した手形帳を用いますので、ブランクになっている箇所がすべて記載されていることを確認すればよいでしょう。
実務上は、受取人等の欄が未記入のまま振り出された手形もみられます。このような手形については、銀行に持ち込むまでの間に必要事項を記入することで法的には有効に取り扱われるのが一般的ですが、振出人において正しく記入されることが望ましいことは言うまでもありません。

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受取手形の現物管理

手形の管理は、現物管理とデーター管理の両方が重要です。
受け取った手形を、支払期日に換金する予定であれば、できるだけ早期に銀行に持ち込みましょう。
ただし、裏書するのであれば、それまでの間、会社の金庫で保管することになります。盗難等に細心の注意が必要です。
また、手形を支払期日前に換金する手形割引を利用する場合にも、一時的に会社の金庫で保管することが必要になり、上記同様の注意が必要です。

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手形割引

支払期日が到来する前に、受け取った手形を銀行に裏書譲渡して、換金することができます。これを手形割引といいます。
手形割引は、銀行からの借入れの一種ですので、会社に信用力がない場合には受け付けてもらえないことがあります。
銀行に対しては、金利の代わりに割引料を支払います。割引料は、借入れ金利と同じように、会社の信用力等に応じてその利率が決定されます。当然、割引の日から支払期日までの期間が長いほど、割引料も高額になります。
なお、手形を割り引いた場合の経理処理については、手形を担保にした借入れではなく、手形の売却として処理することが金融商品会計基準・同実務指針において定められています。

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受取手形のデーター管理

手形を受け取った場合には、直ちに受取手形台帳等に記録します。受取手形台帳には、振出日、金額、振出人、支払期日、支払場所等のデーターを記録します。
受取手形は、数ヶ月先に到来する支払期日において、換金され、会社の資金繰りに用いられます。ですから、資金繰りの予定を立てる上でも、受取手形のデーター管理は重要です。
また、手形の支払期日等のデーターを管理するだけでなく、手形振出人の信用力に問題がないかどうかについても絶えず目を光らせておく必要があります。
現在では多くの会社でコンピューターを用いて受取手形のデーター管理を行っています。コンピューターを用いれば、手形の得意先別明細や期日別明細など必要な情報を様々な集計方法によって把握でき、大変便利です。

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受取手形も定期的に実査する

受取手形は大変換金性の高い資産です。そのため、現金同様にその実在性を定期的に確かめることが必要です。
実査の手続で、受取手形台帳等に記録されている残高と、会社の金庫に保管されている手形の残高が一致することを確かめます。ただし、手形の金額だけが一致しているだけでは不十分です。手形の支払人や支払期日等についても併せてチェックしなくてはなりません。

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受取手形が不渡りになった場合

受取手形の支払期日が到来しても、支払人が資金不足で手形が換金されないことを不渡りといいます。
手形が不渡りになった場合、取立銀行からその旨の連絡があります。
この場合、経理部門としては、支払人の財務状況を把握するなどの対応が必要になります。また、自社の資金繰りに与える影響も検討し、必要な場合は、金融機関から資金調達することになります。
さらに、不渡りの事実を営業部門に素早く情報提供することも忘れてはなりません。不渡りが発生した後は、当該取引先への納品をストップしなければなりません。

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