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◆経費管理について知っておこう
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経費の支出にあたっては、事前に予算を策定しておくことが必要です。
予算策定にあたって、事前に支出できる限度額を、費目ごとに設定しておきます。こうすることで、経費の無駄遣いを抑制することができますし、目標とする利益を達成することも可能となります。
もし、予算が策定されない状況で、期中の営業活動を行えば、無制限に経費を支出し、会社の損益が悪化するか、或いは必要以上に経費を抑制し、営業活動を停滞させ、その結果収益機会を逃すおそれがあります。
予算の策定にあたっては、予算執行の最小単位で作成しなければなりません。全社合計の予算だけを策定したのでは、実際の執行現場で役に立ちません。
また、予算で認められた範囲内であれば、その執行は各現場の判断に任せられます。
当初予算で想定していない支出については、予備費を流用することになりますが、それでも不足する場合には、補正予算を組みます。
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◆予算と実績を対比する
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経費の支出は日々発生しますが、期中においては経費の使用状況を把握することが欠かせません。
そして、経費の使用状況の把握は、予算額と支出実績額との比較を中心に行うことになります。
毎月平均して発生する経費については、毎月の発生額が年間予算額の12分の1であれば特に問題ありません。もし、半年経過時点で年間予算額の80%を使用済みということであれば、無駄遣いがないかチェックすることが必要になります。
経費の中には、毎月平準的に発生するのではなく、特定の時期にのみ発生するものがあります。
例えば、固定資産税(特に1年分を全納する場合)や賞与などがこれに該当します。また、減価償却費も決算時期にだけ正しい金額を計算できる費目ですので、これに近い性質を持っています。
このような経費については、1年間の発生額を予測して、1ヶ月あたりの見込発生額を毎月計上していきます。こうすることで、予算の使用状況を正しく認識することができます。
このような、経費の予算と実績の対比は、原則として経理部門で作成した資料を各現場部門に提供します。経理部門から受け取った情報を基に、各部門は予算の使用状況を分析し、遣い過ぎの費目があれば原因を調査し、支出抑制に努めなくてはなりません。分析結果は各部門から経理部門に提出され、経理部門では全社的な経費使用状況を分析します。
この作業は、毎月実施するのが理想的です。
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◆現場での経費支払をチェックする
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経理部門では、各部門から回付されてきた経費支出に関する伝票を承認する作業を行うことになります。
金額の小さな経費については、基本的に予算の範囲内で支出されるわけですから、経理部門でその適否を細かく指摘することはありません。
しかし、注意しなくてはならない点として、@勘定科目の選択が合理的であるかどうかということと、A税務上問題のない支出であるかどうかということがあります。
規模の小さな会社であれば、各部門が支出した経費の勘定科目は経理部門で選択し、経理データーとして入力処理していきます。この場合は、各部門で勘定科目を選択することがないため特段の問題は生じません。
一方、会社の規模が大きくなり、相応のシステムを導入している会社の場合、経費の支出に関する稟議書等に勘定科目名を記載する欄があらかじめ設けてあり、各支出の担当者が勘定科目を選択することとなっています。
頻繁に発生する経費であれば、各部門の担当者が毎回同じ勘定科目を選択するため問題は生じませんが、稀にしか発生しない経費については、経理の専門知識の乏しい現場担当者が適切でない勘定科目を選択・記載することがあります。
このような勘定科目の選択の適否を、経理部門で最終的にチェックすることが必要になります。
また、経費の支出にあたっては、税務上問題となる論点が複数あります。例えば、会議の目的で昼食代を支出した場合、その目的や飲食した参加者を特定して伝票に適切な記載を行えば会議費としての処理が認められますが、不適切な事務処理を行うことで、税務上の交際費と判定され法人税等を課される場合などがその典型です。
税務上の不利益を回避するという観点からも、経理部門でのチェックが欠かせません。
以下では、各経費項目について、個別に注意すべき点を検討していきましょう。
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◆交際費には注意が必要
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経費の支出にあたって、頻繁に問題になるのが交際費です。
交際費は、会計上はあきらかに費用となりますが、法人税の計算をするときには原則として費用(正しくは税務上の費用のことを「損金」といいます)になりません。つまり、交際費を支出しても税金は減少しないということです。
そのため、会社が支出する経費はできるだけ税務上の交際費に該当しないことが望まれます。
税務上の交際費は次のように定義されています。
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◆交際費の定義
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交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用その他政令で定める費用を除く。)をいう。
(租税特別措置法第61条の4第3項)
具体的には、得意先との飲食費やゴルフ料金、中元・お歳暮、お香典・お祝い金などがこれに該当します。
金額の多寡によるものではありませんから、たとえ500円の手土産であっても上記の要件を満たせば交際費に該当します。
ただし、従業員の忘年会費・慰安旅行費などは、福利厚生のための費用であり上記の交際費には該当しません。また、会議のための少額の飲食費も上記の交際費には該当しません。
給与、福利交際費、広告宣伝費、会議費などは税務上の交際費に該当するか否か判定が難しい場合が少なくありません。
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◆交際費の損金算入限度額
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交際費が税務上も費用と認められる金額は限定されており、一般にこれを損金算入限度額といいます。
資本金1億円以下の会社・・・1年間の交際費支出額(上限400万円)×90%
資本金1億円超の会社・・・ゼロ(損金算入される金額はありません)
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◆寄附金にも注意が必要
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交際費に付いて、経費の支出時に取扱いに頭を悩ませるのが寄附金です。
寄附金についても、税金の計算をする際に、費用として認められない(損金算入されない)部分があるため注意が必要です。
税務上の寄附金は次のように定義されています。
寄附金の定義
寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。
(法人税法第37条第7項)
具体的には、募金など以外に、時価よりも安く資産を譲渡した場合や、無償で資産を譲渡した場合、役務提供した場合に寄附金を支出したこととなります。
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◆寄附金の損金算入限度額
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寄附金の損金算入限度額は寄附金を4種類に区分して、次のように定められています。
(1)国、地方公共団体に対する寄附金
全額が損金算入されます
(2)指定寄附金(財務大臣が指定したもの)
全額が損金算入されます
(3)特定公益増進法人に対する寄附金
(4)の一般寄附金とは別枠で下記算式@の限度額まで
(4)一般寄附金((1)〜(3)以外の寄附金)
下記算式@の限度額まで
寄附金の損金算入限度額の算式
損金算入限度額=(資本基準額+所得基準額)×1/2…@
資本基準額=期末における資本等の金額×当該事業年度の月数/12×2.5/1,000
所得基準額=当該事業年度の所得の金額×2.5/100
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◆福利厚生費
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福利厚生費について税務上は特別の規定を置いていません。
ただし、福利厚生費として支出した金額のなかに、従業員に対する給与として従業員に所得税が課される場合があります。
例えば、社内旅行や忘年会等の社内レクレーションに参加しなかった従業員に対して金銭を支給した場合、創業記念や永年勤続表彰に社会通念上不相応と判断される高額の金品を支給する場合などがこれに該当します。
また、福利交際費として支出した金額が交際費として取り扱われる場合があります。
例えば、一部の役職者だけが参加する宴会の費用などがこれに該当します。
福利厚生費の支出にあたっても、税務上の取扱いを意識して注意を払う必要があります。
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◆旅費交通費
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旅費交通費の支給においては、出張時の日当と役員の出張旅費が特に問題となります。
出張時の日当については、出張旅費規定などの社内規定を設けておくことが必要になります。当然日当は、当該規定に従い支出されていることが必要です。
日当は、役員や従業員が出張先で支出する食事代や日常消耗品費に充てるために、会社が渡し切りで現金を支給するものです。また、遠隔地で過ごすことに対する手当ての意味もあります。そのため、日当については、領収証が必要ありません。
役員の出張旅費については、観光が主たる目的である場合には、役員に対する賞与と扱われるため、損金に算入されませんし、役員個人に所得税が課されます。
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◆源泉所得税に注意
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経費の支払において注意しなくてはならないのが、源泉所得税の取扱いです。会社が経費として支払う報酬や料金の中には、報酬や料金の全額を相手方に直接支払ってはならないものがあります。特に、個人に対して支払う報酬や料金については注意が必要です。
例えば、弁護士や税理士に報酬を支払う場合には、原則として報酬額の10%を差し引き、残りの90%部分だけを支払います。
差し引いた10%については源泉所得税として国に納付します。この仕組みを源泉徴収制度といいます。
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◆源泉徴収の対象となる支払い
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弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の業務に関する報酬・料金・・・報酬・料金の額×10%(ただし、1回の支払金額が100万円を超える場合には、100万円を超える部分については20%)
司法書士の業務に関する報酬・料金・・・(報酬・料金の額−1回につき1万円)×10%
講演の報酬・料金・・・報酬・料金の額×10%(ただし、1回の支払金額が100万円を超える場合には、100万円を超える部分については20%)
外交員、集金人の業務に関する報酬・料金・・・(報酬・料金の額−1月につき12万円)×10%
なお、弁護士報酬や税理士報酬であっても、弁護士法人、税理士法人など法人に対して支払われる報酬・料金については、源泉徴収は不要です。
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◆源泉所得税の納付
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源泉徴収した税金については、原則として支払った月の翌月10日までに納付しなくてはなりません。
納付は、税務署から郵送されてくる(或いは税務署へもらいに行くこともできます)納付書に支払額と源泉徴収税額等を記載して、郵便局や銀行の窓口で支払います。
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◆証憑の整理
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経費を支出した場合には、請求書や領収証などの証憑の整理・保管にも気を配る必要があります。
各部門で小口現金から支出された経費については、その領収証が入手されていることを確認します。日常の交通費など領収証の入手できない支出については、支払った従業員が作成した旅費交通費の報告書等の資料を必ず保管します。
各部門から経理部門へ支払の依頼がある高額の経費については、各部門での承認がなされた上で、さらに経理部門で適切な支払であることをチェックします。この場合、証憑として納品書と請求書の両方を伝票に添付していることが望ましいのですが、納品書を入手できない場合も多く、請求書のみを根拠に支払を承認することもあります。
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◆仮払金の精算
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経費の支出と切っても切れない関係にあるのが、仮払金です。
接待や出張にあたって現金を必要とする場合、実際に支出する従業員は10万円程度の現金を会社から事前に預ります。現金を預った従業員は、支出し領収証を受け取ります。後日会社で、経費支出についての承認を受け、伝票処理を行います。
実際の支払額と、事前に預った金額との間には差額が生じるのが一般的です。不足額が発生している場合には、会社から現金を受け取り、反対の場合には、会社に現金を返還します。
このように、少額の経費の支出のために予め手渡される現金のことを仮払金といいます。
仮払金の精算は、経費支出後直ちに行わなければなりません。通常は、仮払いから1週間といった期限を設けます。出張にあたっての仮払金の精算は、出張から帰ってきた後になりますので、仮払いを受けてから精算までに1週間以上の日数がかかることになりますが、出張から帰った後直ちに精算することをルールとして定めておきましょう。
しかし、実際には仮払金の精算が長期間放置されるケースがみられます。経理部門としては、未精算の仮払金については目を光らせる必要があります。
特に、決算期には全社に呼びかけを行います。決算時期には、仮払金の精算を普段よりも早めに済ませることを心がけてもらいましょう。
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