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◆固定資産管理について知っておこう
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固定資産とは、土地建物や機械のほか、ソフトウェアや出資金などのように、会社が長期間に亘って所有・利用する資産のことをいいます。
固定資産は、経理上、「有形固定資産」、「無形固定資産」及び「投資その他の資産」の3つに分類されます。
(有形固定資産)
有形固定資産に分類されるのは、建物、建物附属設備(照明設備など)、構築物(ドック、橋、岸壁など土地に定着する土木設備又は工作物)、機械装置、船舶及び水上運搬具、工具器具備品、土地などの資産です。
また、これらの資産の建設中に支出した金額を建設仮勘定といい、有形固定資産のひとつとして計上されます。
(無形固定資産)
無形固定資産に分類されるのは、営業権、特許権、借地権、地上権、商標権、実用新案権、意匠権、鉱業権、漁業権、入漁権、ソフトウェアなどの資産です。
無形固定資産は、財産的価値のある権利など目に見えないものです。なかでも、ソフトウェアについては近年その計上額が各社で膨らんできていて重要性が増しています。
(投資その他の資産)
投資その他の資産に分類されるのは、関係会社株式など流動資産に該当しない有価証券、出資金、長期貸付金、長期前払費用などの資産です。
投資その他の資産は、有形固定資産や無形固定資産に分類されない雑多な固定資産が分類されます。
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◆有形固定資産の取得は計画的に
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有形固定資産の取得は、通常それに要する対価が高額に上ります。そのため、取得にあたっては、事前の計画、慎重な検討、それに適切な承認が必要となります。
新工場建設や本社社屋の建て替えなどはもちろんのこと、機械設備の更新などについても長期的な計画が欠かせません。なぜなら、有形固定資産はその対価が高額であるだけでなく、一旦取得したら以後長期間に亘って利用していくこととなるためです。更に、取得時の費用以外に、毎年発生するランニングコストも無視できない負担です。
会社の中期経営計画との整合性も計らねばなりませんし、設備投資の経済合理性についての検討も不可欠です。
経理面での検討事項としては、有形固定資産を取得した場合の毎年の減価償却費と、資金計画が特に重要です。
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◆有形固定資産の取得を申請する
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有形固定資産の取得にあたっては、稟議申請が必要です。
稟議申請にあたっては、取得する有形固定資産の性能、メーカー、納期、耐用年数、価格、補助金の有無などを総合的に検討した結果を記載します。
経理面からは、その価格が特に問題になります。一定額以上の有形固定資産の取得にあたっては、見積もりを複数の業者から入手するようにしましょう。相見積もりによって、著しく高い金額での取得が防げるだけでなく、発注先に対する心理的な抑制となる効果も期待できます。
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◆有形固定資産の取得
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有形固定資産の取得に関する手続は、実際に有形固定資産を利用する部署が担当します。経理部門は、有形固定資産取得に関する経理処理と支払いを担当することになります。
有形固定資産の経理処理は、取得部門から納品書・工事完了報告書などの資料と請求書が回付された場合に、支払事務の処理、仕訳認識をするのと併せて、固定資産台帳への登録を行わなければなりません。
大規模な会社が膨大な固定資産を管理する場合には、固定資産台帳への登録をした後に、一括して仕訳を認識する業務フローを採ることになります。
固定資産台帳には、固定資産に一連の番号を付します。登録する内容は固定資産の名称、取得年月日、稼働開始年月日、取得価額、耐用年数などです。
固定資産台帳に計上されている固定資産の価額と、総勘定元帳に計上されている固定資産の簿価は常に一致していなくてはなりません。月次決算にあたっては、この点を欠かさずチェックしておきましょう。
(固定資産をリースで取得する場合)
固定資産を取得する際に、自社で直接取得せずに、リース会社に取得させた上で、これを賃借することがあります。いわゆるリース取引です。
経済実態をよくみてみると、リース取引は賃貸借取引というよりも、リース会社からお金を借りて固定資産を取得する取引といえます。なぜなら、リース期間の途中で解約できない契約になっており、リース期間が終了する頃には、対象となる固定資産の購入対価と金利相当額をすべて払い終えている場合が多いためです。
このため、経理処理の方法にも二通りあります。
一つは、リース契約締結時には、固定資産を賃借する会社では何の取引も認識せず、リース料を支払ったときに経費の支払として認識する方法です。
もう一つは、リース会社からお金を借りて、リース資産を会社が取得したと考える方法です。
リース契約締結時に、固定資産購入の経理処理を行います。資産として固定資産を認識し、負債としてリース債務を認識します。
その後のリース料支払時には、リース債務の返済と利息の支払いを認識します。
多くの会社では、貸借対照表に計上される固定資産の金額を小さくしたいと考えるため、リース契約締結時には、取引を認識せず、リース料を支払ったときに経費の支払として認識する方法を採用しています。ただし、リース資産の金額に重要性がある場合には、リース契約締結時に、固定資産購入の経理処理を行う方法を採用しなくてはなりません。
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◆固定資産の修繕費
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固定資産を保有していると、定期的なメンテナンスが必要になります。また、突発的に修繕が必要となることも少なくありません。
これらのメンテナンス費用については、経理処理上、一時の費用として処理する場合と、固定資産として計上する場合とがあります。
後者の場合を「資本的支出」といいます。
資本的支出に該当するかどうかは、税務上の取扱いが特に問題となります。なぜなら、修繕費として費用処理した場合には、法人税等が少なくなり、資本的支出として処理した場合には、反対に法人税等が多くなるためです。
そのため、税務調査でも必ずチェックされるポイントです。経理処理にあたっては、この点に常に留意しましょう。
税務上の取扱いとしては、次のように定められています。
(修理、改良などの支出のうち、固定資産として計上するもの)
@資産の使用可能期間を延長する効果がある支出
A資産の価額を増加させる効果がある支出
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◆少額な固定資産
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機械や器具備品などの固定資産であっても、取得価額が10万円未満であるものは、固定資産として計上せずに、事業の用に供した事業年度の費用として処理することが一般的です。
これは、税務上の取扱いに従った経理処理です。
この場合、取得価額が10万円未満かどうかの判定は、「通常1単位として取引される単位」で行います。
例えば、デスクトップ型パソコンの本体(80,000円)とディスプレイ(50,000円)を併せて購入した場合には、本体とディスプレイがセットで「通常1単位として取引される単位」ですから、取得価額120,000円が10万円以上であるため、消耗品費で処理することはできません。
なお、取得価額が10万円以上20万円未満の資産の取得については、上記とは別に一括償却資産の取扱いが定められています。
さらに、中小企業については、税務上の特例措置が認められており、平成18年3月31日までの間に取得した償却資産については、取得価額が30万円未満の場合に、事業の用に供した事業年度の費用として処理することが認められているため、経理上も30万円を基準に固定資産として計上するかどうかの判断を行うこととなります。
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◆使用可能期間が1年未満の固定資産
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使用可能期間が1年未満の減価償却資産も、税務上の取り決めに従い、固定資産として計上せずに、事業の用に供した事業年度の費用として処理します。
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◆固定資産の現物管理
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固定資産は、取得後長期間にわたって使用するものですから、紛失、盗難や災害による滅失などがないように、継続的に現物を管理することが必要です。
現物管理をするためには、まず資産ごとの管理責任者を決定します。会社によっては、管理責任者を決めるかわりに管理部署を決めるケースがありますが、これでは管理責任があいまいになりがちです。また、使用する部門長を管理責任者にするケースでは、1人当たりの管理資産数が膨大になってしまい、全ての資産には目が届きません。
パソコンのような小さな資産では特に使用者個々人を管理責任者とするなど、1人当たりの管理資産数を減らすことが理想です。
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◆固定資産の除却
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一定期間、固定資産を使用すると、寿命が到来し、資産を廃棄することとなります。まだ使用できる状態であっても、陳腐化した場合などには資産を新しいものと取り替えることとなります。
この場合、固定資産の除却処理を行います。
固定資産の除却は、現物を管理する部門から経理部門に対して、除却の報告を行います。
除却の事実を証拠として残すために、廃棄の様子を写真に残したり、資産を廃棄した証明書を処分業者から入手します。
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◆固定資産の移動
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固定資産の使用期間中に、その設置場所を移動することがあります。この場合、固定資産の移動を管理部門から経理部門に報告することが必要です。
なぜなら、固定資産にかかる償却資産税は、各資産の所在する市町村に対して支払うためです。経理部門では、固定資産の所在場所を常に正しく把握している必要があります。
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◆固定資産の現況調査
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固定資産の現況調査は、各資産の管理責任者が、固定資産が実在することを確かめ、更に故障や滅失の有無、所在場所などをチェックして、固定資産台帳に登録されているデーターが正しく登録・更新されていることを確認する作業です。
日常の管理において、固定資産の除却や移動が正しく把握・報告されていない場合に、固定資産台帳を修正する良い機会となります。
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◆固定資産税・都市計画税の納付
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土地・建物を所有していると固定資産税が課されます。また、土地・建物が所在する地域によっては、都市計画税が課されることがあります。
固定資産税は、土地・建物の価格として市町村が評価した固定資産税評価額に応じて課されます。都市計画税も同様です。
固定資産税評価額に一定の負担調整措置を施して算定した固定資産税課税標準額に対して、標準税率1.4%を乗じて税額を算定します。都市計画税は同様に、標準税率0.3%を乗じて税額を算定します。
固定資産税・都市計画税については、申告は必要ありません。毎年市町村長から税額の通知があります。
納付は、4月、7月、12月、翌年2月の4回に分けて行います。
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◆償却資産税の申告
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土地・建物以外にも機械や器具備品などの償却資産を所有している場合には、これらについても固定資産税が課されます。償却資産に対して課されるため、土地・建物に係る固定資産税と区別して償却資産税と一般によばれています。
償却資産税は、所有者である会社が毎年1月に申告書を提出します。
償却資産税は、償却資産が所在する市町村に対して申告、納税します。そのため、経理部門では、償却資産がどの市町村に所在するかを固定資産台帳等で把握している必要があります。
税率や納付時期は土地・建物の固定資産税と同様です。
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◆賃貸不動産の管理と収支把握
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自社の事業に直接使用する目的で所有している製造設備や本社社屋の他に、第三者に賃貸する目的で所有しているテナントビルや賃貸マンションなどはありませんか?
このような賃貸不動産については、それぞれの物件の収支を個別に把握することが必要です。
適切な賃料水準の設定ができていない場合や、空室が多い場合などには、この収支が赤字になりますので収支を改善するための対策を立てなければなりません。
また、減損会計の適用にあたっても、賃貸不動産は個別の収支管理が欠かせません。
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◆遊休固定資産の管理
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固定資産の中には、現在使用していない遊休状態のものがありませんか?
例えば、稼働率が下がったため使用を停止している製造用機械や閉鎖した店舗跡地などです。
このような遊休固定資産については、遊休状態にあることを把握しておかなければなりません。その上で、毎年発生する固定資産税などの費用を把握します。
遊休固定資産については、会社に収益をもたらしませんので、利用方法を見つけ出すか、早期に売却などの処分を検討することが望まれます。
また、減損会計の適用にあたっても、遊休固定資産の時価の把握や、毎年のコストを把握する作業は欠かせません。
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